特定調停とは?

特定調停とは、裁判所のもと調停委員が仲介に入り、借金を利息制限法に基づき計算し直して、元金の減額、利息カット等を協議和解して、余裕のある分割返済をしていく法的手段です。

本稿では「特定調整」について解説していきます。

特定調停とはどんな手続きか?

特定調停とは、借金(債務)を従来通り支払い続けることができなくなった債務者(これを「特定債務者」といいます)が、裁判所の仲介によって債権者(貸主)と話し合い、返済計画を立て直すことによって、経済的な再生を図る手続です。

言い換えると、この「特定調停」は裁判所が行う任意整理、と言っても過言ではありません。「任意整理」は弁護士が債務者の代理人になって、債権者と電話などで直接交渉を行って返済方法について話し合います。

一方で「特定調停」は簡易裁判所で行われ、「調停委員」という借金問題の仲裁の専門家と、裁判官で構成される「調停委員会」が債務者と債権者(銀行、カード会社、消費者金融など)の関係を取り持ってくれることになります。

任意整理と特定調停の差は?

前節で「特定調停は裁判所が行う任意整理」であると書きましたが、気を付けなければいけない点もあります。すなわち特定調停は任意整理に比較すると、弾力的な解決が図られないということもある、ということです。つまり、早期の解決、時間やさまざまな条件を利用した駆け引きなどができない、ということです。

任意整理がある程度までは弁護士に任せておけるのに対して、特定調停は何度かは自らが裁判所に出向いて交渉を図っていくので、仕事をきっちりとこなしながら借金の整理を行うには、特定調停はあまり向いているとは言えないかもしれません。

また、裁判所を介したという割には任意整理と同額程度の減額しか得られない、という点もあります。そして、概ね3年以内に分割して完済できるような場合でないと成立しませんので、大幅な借金の減額を得たいのであれば個人再生しかありません。つまり任意整理と比べてメリット自体はそれほど大きいとは言えない、ということになります。

以上から弁護士を頼んでまで行う手続きというと議論が分かれますが、自分自身で借金整理をするのが不安であるという場合に選択するものです。

また、調停はあくまでも「話し合いによる互譲による解決」ですから、業者が受け入れてくれるような案でなければ成立しません。例えば過払い金の全額返金など両者の対立点が厳しければ成立しないことになります。

どんな場合に手続きを利用できるのか?

借金を整理する(=債務整理を検討する)際の一つの目安は、負債総額が200万円を超えていたり、毎月の返済額が月収の30%を超えている、あるいは月額で10万円を超えている、さらには借入件数が4件も5件もある(=多重債務)場合でした。

そのような場合で弁護士に頼んで「任意整理」を頼んでも債権者との交渉が円滑にまとまらないようであれば、「個人再生」や「自己破産」に移行するのが一般的でした。

弁護士に依頼するおカネがある場合には良いのですが、そうでない人は法テラスを利用するなどしていましたが、多重債務に苦しむ方への救済措置として、2000年2月に民事調停法の特例として「特定債務等の調停促進のための特定調停に関する法律(長ったらしいですね(苦笑)」が施行されました。

さて、特定調停を利用するためには、契約通りに借金の返済を続けていくことが困難になっていることが必須です。すなわち「経済的な余裕はあり、契約通りの金額を支払い続けることはできるものの、今後発生する利息がもったいないから、特定調停を利用したい」という(甘い)考えは許されません。

もっとも、特定調停を利用しても、借金の額そのもの(=元本)まで大幅に減額できないので、借金の返済を続けていく金銭的な余裕が全くない場合には利用することはできません。

そのような場合には、個人再生か自己破産を検討するべきとなります。

手続きにはどのくらいの費用がかかるのか?

特定調停を申し立てる場合には、裁判所に対して、「申立手数料」と「手続費用」を収める必要があります。

具体的には「申立手数料」として。債権者1社当たり500円分の収入印紙、「手続費用」として、債権者1社の場合は1,500円分(2社以上は1社に付き256円追加)の予備郵便切手を納めることになります(東京簡易裁判所の場合。借入額が大きいと費用が若干異なる可能性があります)

どこの裁判所に手続きを申し立てるべきか?

特定調停の申立ては、債権者(銀行、カード会社、消費者金融など)の本店、または支社の所在地を管轄する簡易裁判所に行います。

債権者が複数いる場合には、債権者のうちの一つを管轄する簡易裁判所がすべての債権者をまとめて扱ってくれることがあるので、自身に一番都合の良い簡易裁判所に申立てを行うのが良いでしょう。

 

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