無条件で借金を解決できるほど世の中甘くない!~債務整理のデメリット

債務整理

債務整理には、任意整理個人再生自己破産などがあります。

これらの手続きは、カードローンやキャッシング、消費者金融(サラ金)からの借入に限らず、借金返済の滞納などで苦しくなってしまった場合に、法律で認められた借金整理の方法と考えれば分かりやすいでしょう。

ところが債務整理での借金問題解決を検討したいと思っても、

「債務整理をしたら、どんなデメリットがあるのかな…?」

「いくらなんでも、そんなウマい話があるわけないよね?」

などとご心配される方も多いと思います。

確かに世の中のどんな場合でも「ウマいだけの話」なんてあるわけないです(笑)

債務整理も同じことです。合法的に将来利息を免除してもらったり、債務金額を大幅に(時にはゼロに)してくれるわけですから、そのメリットに見合ったデメリットも存在します。

・・・というわけで、本稿では債務整理のデメリットについてご紹介していきます。

デメリット(その1)~信用情報に傷がつく(ブラックリストに載る)~

まず、任意整理個人再生自己破産を通じて債務整理共通のデメリットは「信用情報に傷がつく(ブラックリストに載る)」ことです。

「ブラックリスト」と言う言葉は借金関連や債務整理の世界では良く使われる言葉でお耳にされた方もいるかと思いますが、どんなリストなんでしょうか?

・・・誤解されがちですが、実際には金融業界において「ブラックリスト」というリスト自体は存在しません。では、いわゆる「ブラックリスト」とは、何を指しているのでしょうか。

例えば、あなたがクレジットカードをつくる、あるいはローンを組むなどを行ったとします。この際には、顧客情報(氏名・住所・生年月日・勤め先・年収など)が「信用情報機関」に登録されます。

しかし、ある一定期間返済が滞ったり、最悪の場合、破産したりした場合、「事故情報」が登録されてしまいます。この事故情報が登録されることを称して「ブラックリストに載る」、「ブラックに載っている」と呼ばれているのです。

この「ブラックリスト」を管理している「信用情報機関」は以下の通りです。

【信用情報機関の種類】

名称 加盟している金融機関
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行・信金・信組・農協系
株式会社 シー・アイ・シー(CIC) 信販会社系
株式会社日本信用情報機構 消費者金融系

そして、債務整理を行ったという「事故情報」が抹消されるまで、5~10年かかるとされています。つまり、その間は主に以下の行為(いわゆる「後払い」的な性質のもの)が制限されてしまいます。

  • クレジットカードの使用
  • 賃貸をする際の保証会社の利用
  • 車のローンを組むこと
  • 住宅ローンを組むこと
  • 携帯電話の本体代金を分割払いにすること

言い換えると、「債務整理の支払いが終わるまでは後払いは控えなさい」というような、一種の罰則のようなものが「ブラックリスト」と考えれば、分かりやすいかもしれませんね。(ブラックリストについては別途、ご説明します)

デメリット(その2)~車を手放す可能性がある~

債務整理をすると車を手放さなければいけない場合があります。

債務整理のうち、個人再生自己破産を行う場合には自動車ローンを支払っている車は手元に残すことはできなくなります。ただし、任意整理では大丈夫です。

一口(ひとくち)に「手持ちの車を残せるか」と言っても、ローンの支払いが終わっていない車とローンの支払いのない車では、その取扱いが異なってきます。

個人再生の場合には、ローンのある車は手放すことになります。ローンのない車はそのまま手元に置いてくことが可能ですが、清算価値の問題になっていきます。(詳細は別途、個人再生の記事でご紹介します)

例えば借金総額が1,000万円ある人がいて、100万円の価値のある(=換金すれば100万円で売れる)自動車を所有していたとします。(単純化するために他の資産はないものとします)

自己破産ではその車を売って100万円を総債権者に分配し、残った900万円について免責を受けることになります。

一方、個人再生では1,000万円の借金は200万円まで減額され、これを原則として36回(3年間)1)5年間のケースもありますで支払うことができれば、車を手放す必要はないことになります。(月に5万6000円程度の支払い)

自己破産の場合にも、ローンのある車は手放すことになります。

ローンのない車は、市場価格で20万円以下ならそのまま置いておくことができますが、市場価格が20万円を超えるようであれば手放さなけえばいけない可能性が出てきます。

しかし、車がないと生活ができない環境であったりなど、車を所持することに相当の理由がある場合には、見逃してもらえるケースもあります。

任意整理では、車のローンに任意整理を行わなければ車はそのまま維持できます。

デメリット(その3)~保証人に迷惑がかかるケースがある~

債務整理をすると保証人に迷惑をかけるケースがあります。

保証人付きの支払いは任意整理では外すことが可能ですが、個人再生自己破産では手続きから除外することはできません。

保証人付きの借金(奨学金など)に債務整理を行うと「あなたが支払いをできなくなった」と債権者カはみなし、保証人にその請求を行うことになります。

任意整理では保証人付きの借金に対しては手続きから外すことができますが、個人再生自己破産では手続きから外すことができないので、事前に保証人にその旨を話しておく必要があります。

この場合、「保証人に支払いがいっても保証人も支払えない」という場合には、保証人も同様の個人再生自己破産などの手続きを行う必要がありますので、十分に説明のうえ、合意してもらわなければいけません。

デメリット(その4)~官報に自分の名前が載ってしまうことがある~

個人再生自己破産では「官報」に掲載されることになります。2)任意整理では官報掲載されることはありません。

個人再生自己破産の手続きを行うと、「官報」という国が発行している新聞のようなものに掲載されてしまいます。もっとも、官報を見る人は限られているため、官報に載るからといって、家族や職場にばれる可能性はほぼないといってもよいでしょう。3)司法書士や弁護士などの専門家でも1度や2度は見たことがあるという程度です。

しかし、官報という記録には残ってしまうこと、一部の職種(警察官や税務署、警備会社など)は官報を多く見ているようなので、その手の職種の方は注意が必要になってくるかもしれません。

上にも書きましたが、任意整理では、裁判所に申立てを行うものではありませんので、官報には載りません。

デメリット(その5)~財産を手放す可能性がある(自己破産)~

自己破産をすると自宅などの財産を手放す場合があります。

「自己破産をすると家がなくなる」・・・これは知っている人も多いことでしょう。

自分名義の家を守るなら任意整理個人再生です。

任意整理では、住宅ローンを手続きから外せばよいので問題ありませんし、個人再生では「住宅資金条項付き」という申立てを行えば、自宅を失うことはありません。

自宅を失う可能性のある債務整理とは、自己破産のことを指します。自己破産では、財産価値のあるものは換価して借金の返済に充てていくという主旨のため、自宅などの高額な財産は売却されてしまいます。

ただし、これも非常に市場価格の安い家(ワンルームで200万円ぐらいや地方で数百万円など)であれば、この金額を用意することで自宅を失わずに自己破産をすることも可能です。例えば、自己破産を行う前にいったん親族や知人に自宅を買い取ってもらい、自宅に住み続けることができた例もあります。

デメリット(その6)~職業が制限されることがある(自己破産)~

自己破産には「資格制限」というペナルティがあります。これは、自己破産の申立から免責が認められるまでの期間は、一定の資格業務を使った仕事ができなくなるものです。

この資格業務の代表的なものとして、警備員・宅地建物取引士、生命保険募集人などがこれに該当します。その他、司法書士や弁護士などの「士業」や質屋・古物商などもこれに該当します。

ただし、一生できなくなるわけではなく、破産の免責(破産が認められる)までの期間なので、数ヶ月程度その資格を使った仕事ができなくなる、と考えれば良いでしょう。

任意整理個人再生では、このようなデメリットはありませんので、仕事に影響がでることはありません。

デメリット(その7)~財産を没収される可能性がある(自己破産)~

自己破産の場合には財産を没収されることもありますが、借金をゼロにする代わりに一定以上の財産を持っている場合には、その財産が没収され借金の返済に充てられる仕組みになっています。

具体的には以下の通りです。

  • 99万円を超える現金を持っている場合
  • 預貯金が20万円以上ある場合
  • 将来支給されるであろう退職金の一部(退職金が支給されている場合はその全額)
  • 20万円を超える保険の解約返戻金がある場合はその解約返戻金に相当する金額

上記のものが代表的な没収財産と言えます。

なお、任意整理個人再生では財産が没収されることはありません。

 

以上が債務整理のデメリットになります。

債務整理を行う前に、メリットだけでなく、デメリットを十分に理解しておきましょう。

 

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References   [ + ]

1. 5年間のケースもあります
2. 任意整理では官報掲載されることはありません。
3. 司法書士や弁護士などの専門家でも1度や2度は見たことがあるという程度です。
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