任意整理の手続きを知ろう!(その4)~依頼後の流れ

任意整理

裁判所を介さずに債権者である貸金業者などと「将来利息」や「延滞損害金」などの免除を求めて交渉する、「任意整理」。

実際のところは代理人である弁護士や司法書士が債務者の代理人として債権者と交渉しますが、任意整理の流れ(手続き)はどうなっているのでしょうか?

おおよそ、 以下の順に進めていくことになります。

①専門家をさがす

②専門家に相談する

③専門家に依穎する(=委任契約の締結)

1事件の概要

2委任内容(=弁護士に何をしてもらうのか)

3委任する費用について

4違反した場合には解約できること(=解約要件)

④依頼後の流れ

1返済ストップおよび受任通知発送

2弁護士費用の支払い

3債務額の確定と交渉

⑤和解の成立と支払い

今回は「④依頼後の流れ」について整理します。

任意整理とは?

「任意整理」とは、債権者と将来利息のカットや長期分割弁済などの返済の方法や返済の額について交渉をして、支払いが可能になるような(今よりも良い)条件での合意 を成立させる手続きです。

すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続き ですが、裁判所への申立の必要はなく、自分一人でも行うことができます。

これは他の信務整理が裁判所を介する法的措置1)これを「任意整理」に対して「法的整理」といいますであるのに対して、任意整理は債権者と債務者との「私的交渉」という位置づけなります。

また、裁判所は関与しませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出する書類を用意する必要はありません。

「利息制限法」の上限利率を超える利息の契約がある場合には、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らします。2)任意整理の手続きの中で、利息制限法による引き直し計算を行った結果、「過払い金」が発生していることがあります。大体、2007年以前に開始した取引が対象になります。この場合、過払い金返還詰求を行います

そして、将来の利息はカットして長期分割払いをするという交渉や一括返済するので債務を減額して欲しい、というような交渉をしていきます。

なお、「任意整理は私的交渉ですので、自分一人で行うことができる」と書きましたが、債権者相手の交渉については、素人にはハードルが高く、専門家(弁護士や司法書士)に依頼するほうが良いでしょう。

 

返済ストップの手続き

専門家に債務整理を依頼すると、各債権者に 「受任通知」(後述参照)という書面が発送されます。

この「受任通知」を受け取った貸金業者は、債務者木人に直接の速絡ができなくなります。 さらに通知が届いたその日から請求もこなくなり、全ての返済もストップするのですが、返済が銀行引き落としで行われていた場合、債権者側の停止手続きが間に合わないことがあります。 これを避けるために以下の方法を採ります。

 すべての銀行口座の残高をゼロにしておく

銀行口座からの自動引落の場合には口座残高をゼロにしておくのが良いでしょ う。光熱費や水道代といった生活に直接関わる支払いがある場合は、その都度、こまめに人金するようにし、残高がある状態が続くのは可能な限り避けてください。一番理想的なのは、支払い方法を銀行引き落としから振込やコンビニ払いに変えてもらうことです。

また、銀行窓口で、該当する債権者からの引き落としがされないように手続を行うようにしましょう。(この手続きには通帳、身分証明書、銀行届出印が必要です。注意してください)

現金の管理を銀行口座以外で行う

上で書きましたが、銀行口座を空っぽにしておく理由は、実は引き落とし対策だけではありません。銀行口座はそのままにしておくと差押えの対象になる可能性があるからです。

というのも、専門家に任意整理を依頻しても、債権者が裁判を起こす権利までさえぎることはできません。任意整理の交渉が遅滞すれば、痺れを切らした債権者に裁判を起こされ、最悪の場合、銀行口座を差し押さえられてしまうことがあります。

これを避けるためにも、現金は銀行口座以外で管理するようにしましょう。

受任通知の発送

弁護士や司法害士は「任意整理」の依頼を受けたら「依頼を受けた」という通知(受 任通知)を債権者へ郵送やFAXなどで即座に送ります。この通知で債権者は公的な方法 (裁判等)を除いて督促することができなくなります。(「貸金業法21条1項9号」で定められています)

では、受任通知とは何でしょうか?

受任通知とは?

受任通知とは弁護士や司法害士が債務者の代理人として債務整理手続を行うことを各債権者に知らせる通知です。「介入通知」「債務整理開始通知」などと呼ばれることもあります。受任通知を送付すると,貸金業者や債権1°1収会社からの直接の取 立てが停止されるという法的な効果を生じます。

受任通知送付による取立て停止の効力

受任通知(介入通知)は,弁護士が債務者の方の代理人となったことを伯権者に知らせるというものですが.ただそれだけの通知ではありません。受任通知最大の意義・効力は,それを送付することによって,消費者金融やクレジット会社などの貸金業者や債権回収会社(サービサー)による債務者に対する直接の取立てが停止するということです。

したがって,受任通知を送達した後は,貸金業者から直接電話がかかってきたり,FAXや郵便が送られてきたり,担当者が家に押しかけてきたりということがなくなります。

受任通知の効力の注意点

受任通知の効果については注意点があります。

まず、取り立て停止の法的な効果が生ずるのは貸金業者や債権回収会社(サービサー)などだけで,買掛先など一般の債権者に対しては効力を有しません。

もっと も,弁護士から受任通知が送付されると,たいていの債権者はとりあえず直接の収立ては停止してくれます。特に,銀行やリース会社などの金融機関は,取立てを停止してくれるのが通常です。

また,直接の取立てが停止されるだけですので,貸金業者や債権回収会社であっても,訴訟などの裁判手続によって貸金の返還を請求することまでは停止できません。ただし,受任通知送付後一定期間は裁判などを起こすことも停止してくれるのが通常です。

費用の支払い

弁護士や司法書上への費用は事務所ごとで異なりますが債権者1社あたり2~4万円程度が一般的です。

確かに債務生活を余儀なくされているのに更なる出費があるのは厳しいところではありますが、「任意整理」で債務総額を減額できることを考えるとメリ ットは十分にあると思います。

また、支払について分割払いに応じてくれる事務所も多いですので、相談されると良いでしょう。弁護士側は「受任通知」を各債権者に出状していますから、この時点で債権者への返済はストップしています。分割払いであれば、毎月の支払額はそれほど大きなものにはならないと思います。

債務額の確定と交渉

費用の払い込み(あるいは分割支払い等の確定)以降は基本的に弁護士や司法書士に お任せになります。依頼を受けた弁護士等は債権者から取引の履歴が確認できる資料を取り寄せ残額の調査を行います。

この調査の過程で「過払い金」の有無の確認を行い、場合によっては正しい利率で引き直して計算します。

以上の調査の結果、依頼者の債務額が確定します。

確定した残額を元に弁護士等は債権者と減額交渉や返済に関して長期分割払いの交渉 を行います。

・・・以上が「任意整理の流れ(手続き④)~依頼後の流れ」となります。

借金返済が滞ると貸金業者から電話・郵便・メール等いろいろな形で借金の督促が行われます。お金の悩みで最も精神的なダメージを受けるのが、この「督促」でしょう。

専門家(弁護士や司法書士)に依頼して、「受任通知」が出れば、ひとまず「督促」は止みます。もちろん。これだけが専門家に依頼する理由ではありませんが、その効力も含めてご相談されることをおすすめします。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

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References   [ + ]

1. これを「任意整理」に対して「法的整理」といいます
2. 任意整理の手続きの中で、利息制限法による引き直し計算を行った結果、「過払い金」が発生していることがあります。大体、2007年以前に開始した取引が対象になります。この場合、過払い金返還詰求を行います
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