任意整理の手続き

021_任意整理

任意整理の手続きを理解しよう

任意整理に関する手続きを解説します。
これまでお話したように「任意整理」は私的交渉ですので、債権者相手の交渉については、正直言って素人にはハードルが高いと思います。

ゆえに今回は実際に弁護士・司法書士に依頼~和解成立の流れになります。なお、以降は弁護士を例に取って説明していくことにします。(以下の通り説明していきます)

①弁護士に相談する
②弁護士に依頼
③返済ストップおよび受任通知発送
④弁護士費用の支払
⑤債務額の確定・交渉
⑥和解成立
⑦和解後の支払開始
では、一つ一つ見ていきましょう。

弁護士に相談する

「任意整理」では弁護士や司法書士が債権者との交渉にあたります。

まずは弁護士の無料相談を利用するのが良いでしょう。とは言っても、どの弁護士に相談するか見当が付きませんよね。

目安としては「債務整理を専門としている弁護士」なのですが、以下のような方法で探すと良いでしょう。

  • 役所の市民相談会
  • 弁護士会の相談会
  • 法テラス
  • 自分で探す(Webなどで「債務整理」「任意整理」などをキーワードに探す)

以上の方法で弁護士を探したら、基本的に無料相談を実施してくれる事務所がほとんどですので、この無料相談を活用しましょう。

無料相談の際には「債権者(金融業者)は誰(どこの会社)か」「債務額はどの程度か」をできるだけ整理して、「債務一覧表」を持参することが望ましいです。
また、「過払い金の有無」については借入開始時期が重要な情報となりますので、こちらも確認できる資料を探して持参することをお勧めします。

なお、銀行系のローンを借りている場合、保証会社が付いていることがありますので、保証会社の有無確認および付いている場合はどこの会社なのかを調べておきましょう。

まとめますと・・・

  • 債権者は誰か?
  • 債務額はいくらか?
  • 借入開始はいつか?
  • 保証会社の有無とある場合はどこの会社か?

これらを整理しておきましょう。 

弁護士に依頼する(=委任契約の締結)

上に書いた通り、相談事項ををまとめた後、弁護士と相談します。返済見込額や弁護士費用が算定できたら、「任意整理」を採用するか、検討します。この際に弁護士・司法書士に介入して「任意整理」する債権者と介入しない債権者を分ける必要があれば、十分に相談しておく必要があります。

任意整理の採用を決めたら、弁護士に依頼します。この際に「委任契約書」を締結することになります。この委任約、何が書いてあるか(=どんな契約なのか)を理解しておくことが大事です。

まず、委任というのは、他人に対し、一定の事務を行ってもらうという契約です。雇用契約ではないので、委任した側に指揮監督権(ああしろ、こうしろという詳細に指示する権限)はありません。(債務整理において弁護士に大幅な裁量が認められています)

また、委任というのは請負と異なり、仕事の成果物を引き渡すことが目的の契約ではありません。ですので、請負契約で発生する「成果物責任」はないうえ、依頼した結果が発生しなくても費用を支払う必要があります。
そのため、弁護士費用の一部(着手金)は失敗しても戻ってきません。

委任契約には以下の事項が記載されています。

  1. 事件の概要
  2. 委任内容
  3. 弁護士報酬の内訳
  4. 解約要件
  5. その他注意事項

では、記載されている内容を見ていきましょう。

事件の概要

事件の概要には「〇〇株式会社に対する債務200万円に関する減額交渉」などが書いてあります。(もし自己破産を採用すると「破産手続き」等が記載されます)

委任内容(=弁護士に何をしてもらうのか)

「委任内容」の欄には「債務整理内容,和解金額,支払条件(回数及び支払開始時期等),過払い金の返還の内容及び交渉方法(和解もしくは訴訟)について」一任することが記載されています。重要な項目ですので、よく確認するようにしましょう。(特に弁護士に対して任意整理の交渉について「一任することとし,一切異議を申し立てない。」という記載になっていますので、注意が必要です

委任する費用について

費用については以下の3点が記載されています。

  1. 着手金
  2. 成功報酬金
  3. 実費

着手金というのは、弁護士が業務を開始する前に支払うべき費用のことです。ただし、法律相談の段階では委任契約を締結する前ですので着手金を支払う必要はありません。この場合、無料相談が覆うですが、有料にしている事務所もあります。(30分5000円など)

また、着手金は委任内容(任意整理の場合、減額交渉や返済計画内容の交渉など)が失敗に終わったとしても、弁護士は委任者に返却する必要はありません。(=着手金は成功失敗に関係なく戻ってきません) 通常の債務整理(任意整理)で、数万円、個人再生や自己破産で数十万円におよぶこともあります。

成功報酬というのは委任業務(委任した内容)が終了した際に依頼者が経済的な利益を受けた場合に、弁護士に支払うお金のことです。「成功報酬」とあるように債務整理交渉が失敗した場合には、支払う必要はありません。なお、成功報酬については「利益の〇〇%」と定められているのが、一般的です。

実費というのは、郵便代、切手代、印紙代、(遠隔地からの依頼であれば)出張費などの費用を指します。通常、契約締結時に数万円を支払っておき、終了時に清算して余りがあれば返金されます。

違反した場合には解約できること(=解約要件)

委任契約では弁護士に幅広い裁量が与えられることになります。それゆえ、弁護士が依頼者の意向に沿わない弁護活動を行う場合には、解約することができます。

このこと(=解約要件)について委任契約書に記載してあります。ただし、幅広い裁量が与えられている、ということは弁護活動について広い範囲で解約要件を定めなければいけなくなります。このため、「方針について意見が相違したとき」などのような大雑把(おおざっぱ)な記載がされているのが一般的です。

つまり「全然、自分の事案を処理してくれない」とか「勝手に違う(依頼者である自分の意向と異なる)方針で進めようとしている」ときに解約できるわけです。

また、委任契約は法律上ではいつでも基本的に解約できるので、この点は留意しておきましょう。

返済ストップおよび受任通知発送

 借入残額を早急に確定するためにも「任意整理」する債権者への返済を止めてもらいます。銀行口座からの自動引落の場合には口座残高をゼロにしておくのが良いでしょう。もしくは、銀行窓口で、該当する債権者からの引き落としがされないように手続を行うようにしましょう。(この手続きには、通帳、身分証明書、銀行届出印が必要です。注意してください)

弁護士は「任意整理」の依頼を受けたら「依頼を受けた」という通知(受任通知)を債権者へ郵送やFAXなどで即座に送ります。この通知で債権者は公的な方法(裁判等)を除いて督促することができなくなります。(「貸金業法21条1項9号」で定められています)

また弁護士は債権者(銀行・クレジット会社・貸金業者など)から取引履歴を開示請求を行います。(この開示請求がありますので、全ての資料が残っていなくても債務整理することができます)

弁護士費用の支払い

 弁護士等への費用は事務所ごとで異なりますが債権者1社あたり4万円程度が一般的です。確かに債務生活を余儀なくされているのに更なる出費があるのは厳しいところはありますが、「任意整理」で債務総額を減額できることを考えるとメリットは十分にあると思います。

また、支払について分割払いに応じてくれる事務所も多いですので、相談されると良いでしょう。弁護士側は「受任通知」を各債権者に出状していますから、この時点で債権者への返済はストップしています。分割払いであれば、毎月の支払額はそれほど大きなものにはならないと思います。

債務額の確定と交渉

弁護士費用の払い込み(あるいは分割支払い等の確定)以降は基本的に弁護士にお任せになります。
依頼を受けた弁護士等は債権者から取引の履歴が確認できる資料を取り寄せ残額の調査を行います。
 この調査の過程で「過払い金」の有無の確認を行い、場合によっては正しい利率で引き直して計算します。

以上の調査の結果、依頼者の債務額が確定します。
確定した残額を元に弁護士等は債権者と減額交渉や返済に関して長期分割払いの交渉を行います。

和解の成立

弁護士が債権者との交渉を経て債権者および債務者双方で合意が取れれば和解が成立します。和解が成立すれば、その内容を「和解書」もしくは「合意書」という書面にします。

ただし、交渉が難航したり、和解後に債務者の経済状況が悪化して支払が困難になるなどした場合は、相談の上、再度の見直しや場合によっては個人再生や自己破産への方針変更も検討することになります。

和解後の支払い

和解後は和解案の内容に従って返済を行っていきます。そして完済すれば、借金生活から解放!となります。万が一、和解通りの返済ができなくなった場合は再度の任意整理を行うことも不可能ではありませんが、その和解条件は最初の任意整理に比べて、一般的に厳しくなってしまいます。場合によっては「個人再生」や「自己破産」へ移行することも十分にあります。

 

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