個人再生できないケース

022_個人再生

債務整理の一つである個人再生は借金を最大で80%カットできるという大きなメリットがあります。しかしながら、借金を負っている人(=債務者)の全員が個人再生をできるわけでありません。この点について注意が必要です。

実は任意整理と自己破産の中間に位置している「個人再生」では、裁判所に認可されるために様々な条件がありますが、その条件を満たさない限り個人再生の申立てをしても却下されてしまうわけです。

もし、個人再生を行うのが難しい場合には、任意整理や自己破産など、他の債務整理を検討していかなければいけません。

この稿では「個人再生ができないケース」や「個人再生をするのが難しいケース」というものを紹介していきます。順をおってみていきましょう。

借金の総額が5,000万円以上である場合

個人再生では、負債額が5,000万円以内の場合にだけ認められます。従って、5,000万円以上の負債がある場合には、個人再生を選択することはできません。(実際のところ、5,000万円以上の負債になると、「再生計画案」を作成して返済するのは極めて厳しくなります)

ただし、5,000万円という金額は、「住宅ローン以外の借金額」を指しますので、住宅ローンの金額は考慮する必要はありません。

また、この5,000万円という金額には、元金に加えて、個人再生申立て時までの利息や損害金も含まれます。(残念ながら「再生計画案」への債権者の合意が得られるまでは、利息や損害金が発生することになります)

債務額が5,000万円を超えている場合には、通常の個人再生を選択することはできますが、個人が通常の再生を行うことは考えにくいので、自己破産を検討することになります。

住宅ローン以外の担保権が設定されている場合

住宅購入の際には一般的に住宅ローンを組むことになります。(よほど余裕がない限り、数千万円をポン!と出せる人はそう多くはいませんよね))

住宅ローンなどの融資を組むと、担保としてその自宅に抵当権などの担保権が設定されます。この担保権が設定されていること自体は、個人再生を行うにあたって問題となることはありません。

一方で、事業を行っている人が自宅に事業用の(根)抵当権を設定したり、消費者金融などから不動産を担保にお金を借りていたりして、自宅に担保権が設定されていることがあります。

この点が注意すべきなのですが、住宅ローン以外にこのような担保権がある場合には、個人再生を行うことはできません(厳密に言うと住宅ローン特則を使えない個人再生になってしまうことになりますから、個人再生を行っても意味がありません)。

このような場合には、この住宅ローン以外の担保権を調整(抹消)できれば、個人再生を行うことはできますが、そうでなければ任意整理または自己破産を検討することになるでしょう。この場合、大きな額(1,000万円以上など)であれば、実際には自己破産になるケースも多いでしょう。

借金が100万円以下の場合

個人再生について説明した通り、500万円の借金に個人再生をしても、200万円の借金に個人再生をしても、100万円以下の金額にはならず100万円は最低でも支払わなければなりません(逆に言えば、個人再生では100万円は必ず支払わなければいけない最低額ということです)。

つまり100万円以下の借金に個人再生をしても無意味というわけです。

また、個人再生を行うのに専門家(司法書士や弁護士)の費用や再生委員の費用(裁判所の管轄による)が、50万円~100万円ほどかかるのを考えると、実質的には150万円~200万円の借金でも個人再生をしても意味のないケースというのは発生するかもしれません。このようなケースでは、任意整理か自己破産の選択をする必要があります。

継続的に収入を得られていない状態であること

個人再生が認められるための一つの条件として、継続的に収入が得られる状態であることが必要になってます。継続的に収入が得られる状態ということで

「正社員でないと個人再生は認められませんか…?」

という質問も聞こえてきそうですが、そんなことはありません。

正社員・派遣社員・パート・アルバイトでも継続的に毎日収入を得ている状況であれば特に問題はありません。

ただし、無職や専業主婦であったり、自営業で収入が毎月継続的にあるような状況でない場合(数ヶ月に一度大きなお金が入金され、無収入の月もあるなど)には、この条件を満たさないので、注意が必要です。

高額な財産を持っている又は将来受け取れる人

個人再生には、「清算価値保障」というルールがあります。

つまり「自分の持っている財産以上は支払いなさい(借金は減額されない)」というルールです。簡単に言えば、あなたに500万円の借金があっても、300万円の財産があれば、借金の減額は200万円までが限度ということです。

このように、高額な財産を持っているような場合には、個人再生での借金減額の効果が、ほとんど働かないようなケースもあります。高額な財産を持つ場合は個人再生を行っても意味が無いと言えるでしょう。

例えば、500万円の借金があるRさんが個人再生をしようと思っても、田舎に親からもらった土地があり、これに600万円の値がついているような場合には、個人再生をしても(借金減額の効果が働かないので)意味が無い、ということになります。

毎月3万円を支払っていくのが難しい場合

個人再生では、最大で100万円まで借金を圧縮することができます。そして、この100万円を3年払いの毎月3万円払いで支払っていくのが基本的な考え方となります。

もちろん、この金額以下の再生計画案も認可されることはありますので、毎月1万5000円や2万円などの返済を個人再生で行っている場合もあります。

しかし、「3万円は安全圏内」、「2万円や1万5000円では申立てを行って裁判官の判断次第」というところを考えると、せめて毎月3万円は支払いができるような状況でないと、個人再生の申立てをしても不安の残るところでしょう。

言い換えると「毎月3万円以上を支払える収入を得ていることが個人再生適用の最低条件である」ということですね。

 

保証人付きの借金があって保証人の理解を得られない

個人再生では、住宅ローン以外の全ての借金を対象にしなければなりません。

「保証人付きの借金は外す」

「車のローンは外す」

ということはできず、保証人付きの借金も車のローンも全て個人再生の対象にしなければなりません。

保証人の意向を確認しなくても、個人再生の申立てをすることはできますが、保証人は一般的に親族であることが多数なので、親族が反対しているのに一方的に進めることは厳しいでしょう。

保証人理解を得るのが難しい場合は、個人再生ができないわけではありませんが、個人再生をするのに難しい場合とは覚えておきましょう。

 

勤務先に借金があって勤務先に知られては困る場合

個人再生では任意整理のように特定の借金を外すことはできません。

つまり、クレジットカードの借金だけを個人再生の対象にして、保証人のついている奨学金や勤務先への借金は除外するということは認められないわけです。

勤務先の借金に個人再生を行うと、勤務先に個人再生に関連する通知などが全て送られるようになります。そのため、勤務先に借金があって個人再生を勤務先に知られては困るケースでは個人再生を行うことは難しいでしょう。

 

以上が個人再生が難しい、あるいは不可能なケースです。

詳しいことはやはり、債務状況や収支状況などの詳細を説明して、弁護士あるいは司法書士のような法律のプロに相談したほうが良いでしょう。

 

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