個人再生とは?

03_個人再生

「こんな苦しみが続くくらいならいっそ死んでしまいたい」・・・Yahoo!の知恵袋の質問内容には、大げさではなく、しばしばこんな表現も出てきます。

「死んでしまいたい」「消えてなくなりたい」という表現は実は「言動の原因となる事象などがなくなるのなら、生きていたい」という渇望の裏返しだそうです。

昔から「死んで花実が咲くものか」というセリフもありますが、同じ意味ですよね。

もし、お読みになっておられる方でそのような境遇におられるとしたら、せめて、この記事を読んでみていただきたいと思います。

「破産選択をすると今の仕事が続けられなくなる」

「自己破産だけはしたくない」

「できれば持ち家を手放さずに借金を減らしたい」

・・・そのような方々には「個人再生」が向いています。

ただ、「個人再生」が認可されるにはやや高いハードルをクリアしなければなりません。

では、「個人再生」とはどんな手続き「でしょうか?

「個人再生」について説明しましょう。

個人再生とは?

「個人再生」というのは、大まかな言い方をすると、自己破産と任意整理の中間のような制度です。個人民事再生とも呼びますが、5000万円以内の借金であれば、この手続きを利用することができます

自己破産と任意整理の中間のような制度と書きましたが、自己破産と同様に裁判所に申し立てをするものの、自己破産のようにすべての債務を免責にするというわけではなく、債務を大幅に免責(5分の1程度)にしてもらって、任意整理のように、長期の分割払いにしてもらう、という制度です。減額幅は、任意整理よりは大きくなります。

もちろん、任意整理同様、将来利息(今後の支払いの利息)のカットはできるため、返済額はぐっと抑えられるものです。また、個人再生では、借金を作ってしまった原因は関係なく認められるため、浪費などで作ってしまった借金の場合で破産が難しいようなケースでも個人再生という逃げ道を作れます。

債務を大幅に免責(5分の1程度)にし、それを3年で支払うという計画案(再生計画案)が裁判所に認可されれば、債務は計画案に記載された額まで減額されます。そして、原則として3年での分割支払いが終われば、すべての債務がなくなります。返済期間については、特別な事情がある場合には、5年までの長期分割弁済が認められます。

任意整理とは異なり、裁判所により強制的に借金が減額されるので「任意整理で利息をカットしたり、月々の返済額を減らしたりしても、返し続けるのが難しい」という人(言い換えれば任意整理では対処しきれない債務を負う人)にとって魅力的な制度です。

個人再生には2種類ある

「個人再生」手続きには以下の二つがあります。いずれの場合も、住宅資金特別条項付というものを付加することによって、住宅ローンを以外の借金を個人再生の対象ににすることが可能です。

①小規模個人再生手続
②給与所得者等再生手続

大雑把に言うと「給与所得者等再生手続」はサラリーマンを対象にした制度であり、「小規模個人再生手続」は自営業者等のサラリーマン以外の場合を想定した制度となっています。

両者の違いは「給与所得者等再生手続」では金融業者等の債権者が再生手続きによって債権額が減額されることについて反対したとしても減額されるのが通常であるのに対して「小規模個人再生手続」では借金を減額することに同意しない債権者が全体の半数以上、または同意しない者の債権額が総額の2分の1を超える場合には借金の減額そのものが認められないという点です。

すなわち、「小規模個人再生手続」では債権者の意向によって借金の減額がされない可能性がある、ということです。ただし、現状では個人再生において、ごく一部の債権者以外は反対債権者が現れる例はないため、小規模個人再生の申立てを行っていくのが一般的となります。

「清算価値」とは?

 個人再生では「再生計画で定められた最低弁済額」を3年~5年の期間で支払っていきます。

この最低弁済額とは、

  1. 100万円
  2. 債務の2割相当額
  3. 財産の清算価値

この3つの金額の中で一番高い金額と定められています。(総債務額が500万円未満の場合)

そして、清算価値とはその人が保有する財産である預貯金や現金や株式、それに加え、保険の解約返戻金や退職金(退職金の1/8の金額が清算価値上の保有財産)など、その人が将来取得できるであろう財産も清算価値に含み、算出していきます。

この潜在財産の複雑な例としては、住宅ローンの金額よりも不動産の方が高い場合にはその差額部分なども、保有財産とみなされるので注意が必要です。

個人再生においては、この清算価値が高いと個人再生を行っても無意味な場合がありますので、個人再生ができるかできないかを考える上では最も重要なものと言えます。

個人再生と住宅ローンの関係

 個人再生は住宅ローンの支払いが苦しい場合には非常に強い味方と言えます。しかし、以下のような清算価値の問題に抵触してしまうような場合には、個人再生を適用すること自体が難しいケースもあります。

  • 「住宅ローンの残高より不動産価値の方が高い場合」
    (残ローンが1000万で自宅の価値が2500万など)
  • 「住宅ローン以外の担保権(例えば事業用ローンや少額融資のローン)が不動産に設定されている場合」

前者の場合は、価値が高い部分は財産とみなされてしまうため、価値が高ければ高いほど返済額は高額になってしまい、個人再生を行う意味がない場合や個人再生をしても意味がないといった問題があります。

後者の場合には、そもそも個人再生自体の適用を受けられない仕組みになっていますので、注意が必要です。(個人再生では住宅ローン以外の担保権が設定されている場合には、住宅資金条項付の個人再生の申立ては認められていません)

個人再生と退職金の関係

 個人再生においては、「将来支給されるであろう退職金」も、検討材料にいれなければなりません。現在退職していなくても、「仮に今退職したら支給される予定の退職金」は、その人の持っている財産と同じ扱いになるということです。

個人再生ではその人が持っている財産分は最低でも支払わなければならず(財産分を支払うか、財産分を換価して支払いに充てる)、推定退職金があればこの退職金分は支払いをしなければいけないわけです。

ただし、在職中の場合には、退職金の1/8だけが財産価値となりますので、推定退職金が1000万円ある場合で125万円ほどの財産を持っているということになるわけです。
(ただし、退職が予定されている場合には1/4の250万円が財産価値となります)

そして、個人再生の最大圧縮額100万円と125万円を比べた場合には、125万円のほうが大きいわけなので、個人再生で圧縮できる金額は125万円になるわけです。

 

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