「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の選択基準を知ろう!~どっちが有利?~

個人再生

借金先が多いと、どんなふうに返済資金を融通して用意するかということに、四六時中、腐心しなければいけなくなります。

そのような事態に陥ってしまったら、一時も早く債務整理という方法で借金問題をなくしてほしいと管理人は考えます。

「借金は自分の責任でしたことだから」ということで、債務整理に頼るようなことはしない!と心に誓っている方もいるのかもしれません。

そうは言っても一昔前と異なって、借金返済は容易ではなくなってきているというのも事実です。

やはり、借金が増大し返済が難しくなったなら、一刻も早く専門家に相談してください。

さて、債務整理の中で個人再生は法的整理の一つですが、さらに「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」に大別されます。「小規模個人再生」は個人再生の原型であり、「給与所得者等再生」はサラリーマンなどの給与所得者を対象とした特則であると言えます。

現在、個人再生の申立のほとんどは「小規模個人再生」であり、自営業に限らず、サラリーマンなどの給与所得者も利用できます。では、この二つの個人再生(「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」)のどちらを選ぶべきなのか?

本稿では、その選択基準についてご紹介します。

→ 「小規模個人再生」の詳しいご紹介はこちら

→ 「給与所得者等再生」の詳しいご紹介はこちら

基本は「小規模個人再生」を選択

「小規模個人再生」の場合,「最低弁済額」1)返済していくべき借金等の債務額の最低基準の金額は,債務権額に応じて、以下の通り、一定の割合または金額となることが定めらています。

2)ここでは「清算価値」はゼロとします

【借金総額と債務支払額(最低弁済額)】

例えば、借金の総額が300万円であれば、100万円まで減額されますし、個人再生の対象となりうる最大額の借金(5000万円)であっても、10分の1ということで、500万円まで減額することができます。

「小規模個人再生」であれば、借金の額によって異なる点はありますが、大きな減額が可能であり、魅力ある制度と言うことができます。

一方で「給与所得者等再生」の場合、最低弁済額は、上述の金額では決まらず「可処分所得の2年分」以上で、かつ、「小規模個人再生」利用時よりも必ず高額でなければならないとされています。

すなわち、「小規模個人再生」の方が大きな減額が可能である、ということになります。

債務整理とは、減額を了承してもらった上で借金返済を続ける方法ですから,より債務の負担を軽減することが、最も重視されるべき点です。

「小規模個人再生」は、元来は自営業者や小規模個人事業者などを対象として設けられたものですし、サラリーマンなどに対しては「給与所得者等再生」があるということに間違いはありませんが、だからといってサラリーマンなどが「小規模個人再生」を利用できないわけではありません。

以上から、たとえサラリーマンなど給与所得者であっても、何よりもまず最初に考えるべきことは,「小規模個人再生が適用できないか?」という点となります。3)実際のところ、個人再生申立ての大半が、この「小規模個人再生」になっています。

もし、個人再生の利用を検討している場合、「小規模個人再生」の要件を満たしており、利用可能であれば、「小規模個人再生」を選ぶべきです。

逆にいえば、「給与所得者等再生」を選択する場合というのは「小規模個人再生」を利用できないから、という理由になります。

 

「給与所得者等再生」を選択せざるを得ない場合

前述のとおり、個人再生を利用する場合には、まず「小規模個人再生の適用が可能かどうか」を検討するべきであり,それが利用できない場合に次善の策として「給与所得者等再生」を検討するというのが通常のやり方となります。

では、「給与所得者等再生」の適用を選択しなければならないケースというのはどのようなものでしょうか?

それは各債権者から「消極的同意」を得られない可能性があるという場合が相当します。

「小規模個人再生」の再生計画が認可されるためには、その認可の要件として以下のことが挙げられます。

  • 再生計画が裁判所に認められるためには、債権者の数の2分の1以上の消極的同意があることかつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないこと

この要件の前段で「債権者の数の2分の1以上の消極的同意があること」というのは、すなわち「異議を述べていない」ということを指します。

言い換えると、債権者の数の2分の1以上または債権総額の半数を有する債権者たちから異議が出されると「小規模個人再生」における再生計画は認可されない(=個人再生は失敗となる)ことになってしまうということです。

個人再生を申請した場合、債権者の中で金融業者は概ね異議を述べることがないのが実情となっています。

しかしながら、一部には、再生計画案に対して必ず異議を出す方針としているをとっているという金融業者もいるにはいます。

また、(個人を含む)金融業者ではない債権者の場合には,異議を出すことも珍しいことではありません。

以上から、そのような異議を述べる可能性のある債権者が、債権者の数の2分の1以上または債権額の半額以上を有することになるようなケースでは「小規模個人再生」が利用できない可能性に鑑みて、「給与所得者等再生」の適用を選択すべきかどうか、検討する必要が出てくるわけです。

ただ、「小規模個人再生」において再生計画案に、必ず異議を出すことを旨としている債権者ばかりとも限りません。

その場合には,「給与所得者等再生」での弁済額がいくらになるのか?なども含めて十分に考慮した上で、あえて「小規模個人再生」での認可に向けて試してみるか?それとも最初から、「給与所得者等再生」を申し立てるのかを考える必要がでてきます。

 

・・・以上が「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」のどちらを選ぶべきなのか?~その選択基準~」についてのご紹介でした。

ポイントは「再生計画案への債権者の異議申し立ての有無の可能性」となりますが、この辺りは債務整理に詳しい専門家でないと見極めがつくかどうか難しいところとなります。

やはり、個人再生を利用するのであれば、早い段階で一度専門家に意見を伺って、相談されることをおススメします。

 

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References   [ + ]

1. 返済していくべき借金等の債務額の最低基準の金額
2. ここでは「清算価値」はゼロとします
3. 実際のところ、個人再生申立ての大半が、この「小規模個人再生」になっています。
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