「再生計画認可」の要件を把握しよう!

再生計画認可要件とは? 個人再生

裁判所によって「再生計画」を認可してもらうためには、「再生計画認可の要件」を満たしていなければなりませんが、この要件は「再生手続開始の要件」とは別なので、注意しなければいけません。

この「再生計画認可の要件」は民事再生法で定めていますが、この要件には、民事再生全般に共通する認可要件に始まり、「個人再生全般に共通する認可要件」、「小規模個人再生」・「給与所得者等再生」のそれぞれに固有の認可要件も満たしていなければいけません。

また、個人再生のメリットの一つ1)自宅を維持して債務整理ができるという点です。に必要な「住宅資金特別条項」を利用する場合には、住宅資金特別条項を定めた再生計画固有の要件も充足していなければなりません。

・・・こうしてみると、なかなか厄介なもののようです。
本稿では個人再生における、この「再生計画認可の要件」についてご紹介いたします。

個人再生における再生計画認可の要件

個人再生によって債務整理をするためには、裁判所によって再生手続を開始してもらったうえで、その手続きの中において「再生計画」を認可してもらうことが必要です。

そもそも「個人再生」も裁判手続の一つですから、手続を開始してもらう時点で「民事再生法」で定められている「再生手続開始の要件」を満たしていなければなりません。

ところが、「再生手続」が開始されたからといって、それで当然に「再生計画」も認可してもらえる、と決まったわけではありません。

「再生計画」を認可してもらうためには、「再生手続開始の要件」とは別に「再生計画を認可してもらうための要件」を満たしている必要があります。

「再生手続開始の要件」は再生手続開始の時点においてその有無が判断されますが、「再生計画認可の要件」は「再生計画認可又は不認可・棄却決定」をする際にその有無が判断されること になります。

なお、個人再生における「再生計画認可の要件」としては,以下のものが必要となります。

  • 民事再生手続共通の認可の要件
  • 小規模個人再生・給与所得者等再生共通の認可の要件
  • 小規模個人再生特有の認可の要件
  • 給与所得者等再生特有の認可の要件

では、順番に見ていきましょう。

民事再生共通の再生計画認可要件

「個人再生」とは正式には「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」という「民事再生手続」の特則です。2)そのため、「個人民事再生」と呼ばれることもあります。

個人再生も、民事再生の特則である以上、基本的には通常の民事再生と同様の規律を受けることになります。このため、「個人再生」においても通常の「民事再生手続における再生計画認可の要件」を満たしている必要があります。

具体的には、以下の「民事再生共通の再生手続開始要件」が必要です。

  • 再生手続又は再生計画に不備を補正できないような法律違反がないこと
  • 再生計画遂行の見込みがあること

個人再生共通の再生計画認可要件

上述のとおり、「個人再生」は「民事再生の特則」の位置づけにありますから、「民事再生」とは異なる「個人再生」特有の再生計画認可の要件があります。

「個人再生」の「再生計画」を裁判所に認可してもらうためには、前述の「民事再生共通の開始要件」以外にも、「個人再生」特有の再生計画認可の要件も充足している必要があります。

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2種類の手続きがありますが、両者の手続きに共通する「個人再生特有の再生計画認可の要件」としては、以下のものがあります。

  • 借金の総額3)「再生債権額」と言います。が5,000万円を超えないこと
  • 再生計画に基づく以下の表1の最低弁済額を下回っていないこと
  • 「清算価値保障原則」を充足していること
  • 住宅賽金特別条項を利用する場合には、再生計画に「住宅資金特別条項」の定めがあること

【表1】

個人再生における債務弁済額一覧

小規模個人再生特有の再生計画認可要件

前述のとおり、「個人再生」には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2つの種類の手続がありますが、基本型となるのが「小規模個人再生」です。

「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」には「共通する要件」もありますが、各々にも特有の要件もあります。

まず「小規模個人再生」ですが、特有の再生計画認可の要件としては、以下のものがあります。

  • 「再生計画案」の決議において「不同意」を述ぺた債権者が、議決権を有する債権者の総数の半数に満たず、 かつ、その議決権を有する偵権者の再生債権(借金)の額が総額の2分の1を超えないため「再生計画案」が可決されたこと
  • 「再生計画案」の決議が不正の方法によって成立するに至ったものでないこと
  • 「再生計画案」の決議が債権者の一般の利益に反していないこと
  • 情務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること

給与所得者等再生特有の再生計画認可要件

「給与所得者等再生」は、「個人再生」の中でも「特別型」に当たる手続きとなっています。

この「給与所得者等再生」の場合も「小規模個人再生」と同様に「 民事再生共通の要件」、「個人再生共通の要件」以外にも「給与所得者等再生特有の再生計画認可要件」があります。

「給与所得者等再生特有の再生計画認可要件」としては、以下のものがあります。

  • 「再生計画」が債権者の一般の利益に反しないこと
  • 債務者に給与、または、これに類する定期的な収入を得る見込みがあること
  • 定期的な収入の額の変動の幅が小さいこと
  • 過去の「給与所得者等再生」の「再生計画」が遂行された場合の当該再生計画認可決定確定日,、ハードシップ免責がされた場合の当該再生計画認可決定確定日、破産免責許可決定確定日か ら 7 年以内にされた申立てでないこと
  • 計画弁済総額が可処分所得額の 2 年分以上であること

住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可要件

「再生計画」に住宅資金特別条項を定める場合には、前述までの各再生計画認可要件以外に「住宅資金特別条項」を定めた「再生計画」に固有の認可要件も満たしている必要があります。

住宅肉金特別条項を定めた再生計画に固有の認可要件としては,以下のものがあります。

  • 「個人再生」本体(「小規模個人再生」または「給与所得者等再生」)の「再生計画」認可の要件を満たしていること
  • 住宅資命特別条項の対象となる債権が「住宅資金貸付債権」に当たること
  • 住宅査金貸付債権が法定代位により取得されたものでないこと
  • 対象となる住宅に住宅ローン関係の抵当権以外の担保が設定されていないこと
  • 対象となる住宅以外の不動産にも住宅ローン関係の抵当権が設定されている場合には、その住宅以外の不動産に後順位抵当権者がいないこと
  • 個人再生申立ての際に提出する債権者一覧表に住宅資令特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨を記載すること
  • 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出したこと
  • 再生計画が遂行可能であると認められること
  • 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれないこと

以上が「再生計画認可の要件」となります。

 

おすすめの弁護士事務所はこちら

おすすめの司法書士事務所はこちら

トップに戻る

 

References   [ + ]

1. 自宅を維持して債務整理ができるという点です。
2. そのため、「個人民事再生」と呼ばれることもあります。
3. 「再生債権額」と言います。
タイトルとURLをコピーしました