「再生計画」とは?~個人再生の最重要ポイント!~

個人再生

「個人再生」は民事再生法の「個人版」であり、その手続きは「小規模個人再生」と「給与所得等再生」に分かれます。その目的は両者とも「再生計画」の認可決定を受け、それに基づく返済を認めてもらうことです。

さて、「個人再生」では、しばしば登場する「再生計画」とは何でしょうか?実はこの「再生計画」こそが「個人再生手続き」の最重要ポイントなのです。

本稿では、個人再生における「再生計画」についてご紹介します。

「再生計画」とは?

「個人再生」は、裁判所によって「債務(借金)の減額を認めてもらったうえで、原則3年の分割払いにしてもらう」という手続です。

この裁判所による認可では「債務の減額の度合い(=どの程度まで借金が減額されるのか)」「返済回数(=分割支払いの回数は何回か)」などについて、「民事再生法」によって基準が設けられています。

しかしながら、具体的に「減額した借金はいつ返済するのか(返済期日の設定)」や「何回払いで返済するのか」1)原則3年(=36回)とはなっていますが、稀に5年(=60回)のケースもあります。などの返済計画の詳細な部分までは決められているわけではありません。

これは当たり前と言えば当たり前の話で、返済可能金額などの個々の事情がありますから、「返済計画」は一律に策定することはできないわけです。

そして、個別具体的な「返済計画」をどのようにするのか、は各人によって異なってくるわけです。そのため、それぞれの状況に応じ、「民事再生法」で定める基準に従った「返済計画」を策定することになります。

この「民事再生法」に従って作成される具体的な返済等の計画を「再生計画」と言います。「個人再生」とは、まさにこの「「再生計画」を裁判所によって認可してもらう手続き」であると言っても過言ではないでしょう。

「再生計画案」の作成

何度か書いてきましたが、「個人再生」も手続き自体は「申立人」が主体的に行わなければなりません。

これは「再生計画」の策定についても同様です。

すなわち、申立後に裁判所が「再生計画」を作成してくれるわけではなく、「申立人」が「再生計画」として裁判所に認可してもらいたいという計画案(=「再生計画案」)を自ら作成する必要があるというわけです。2)もっとも、素人が作成するには難しい部分もありますから、「個人再生委員」の「指導・監督」を受けながら作成する、ことになります。

なお、「個人再生」により、借金総額は原則として5分の1にまで減額されます。3)「小規模個人再生」の場合です。また、最低返済額は100万円、最大減額幅は10分の1となります。

また、「個人再生」には「清算価値保障原則」があります。

これは、「個人再生」においては、「自己破産(=「保有財産の清算」をしたうえで、借金をチャラ(ゼロ)とする)」を選択した場合に債権者が得られるであろう金額(これが「清算価値」となります)以上の金額を弁済しなければならない、という原則です。

例えばAさんが500万円の債務を負っているとします。

「個人再生」を選択した場合、原則5分の1まで減額されますので、「再生計画」では100万円の返済計画となります。

しかし、Aさんが200万円の換金処分ができる自動車を保有していたとします。4)本人名義で、かつローン等がないという前提です。

この場合では、Aさんが「自己破産」を選択したとすれば、債権者は少なくとも200万円の金銭の配当を受けられるわけです。5)「自己破産」では20万円超の換金価値のある資産で生活必需品でない場合は自宅や自動車などは差し押さえられます。

「個人再生」を選択して、自動車はそのまま保有し、かつ100万円の弁済で済むとなると「自己破産」と比べて不公平となりますので、「清算価値保障原則」により、、この場合の「再生計画」における返済金額は200万円(=自動車の換金価値と同等)となる、というわけです。

分割については、「原則として3年(=36回)」とされています。

ただし、3年で返済することが困難であるという特別な事情があれば、5年にまで延長することも可能です。

「再生計画」の認可(あるいは不認可)

「申立人(債務者)」は作成した「再生計画」を「再生計画案」として、裁判所に提出します。そして、裁判所はこの「再生計画案」について「再生計画認可の要件」の有無を審査して、認可・不認可を決定することになります。

「小規模個人再生」の場合

申立てが「小規模個人再生」であれば、「再生計画案」は各債権者(貸金業者などのお金の貸し手)に送付され、各債権者による決議に付されることになります。

この決議において以下のどちらかに該当することになれば「再生計画案」は可決されることになります。

  • 「不同意」の債権者が全体の頭数の半数に満たないこと
  • 「不同意」の債権者が有する債権額の2分の1を超えないこと

逆に言えば「不同意」の債権者が全体の半数を超えているか、あるいは「不同意」の債権者が有する債権額の2分の1を超えている場合は「否決」されることになります。

債権者によって「再生計画案」が可決された場合には、その他の要件を満たしていれば、裁判所は「再生計画認可の決定」を行います。そうでない場合は「不認可の決定」を行います。

・・・以上から「小規模個人再生」では「再生計画案」の作成において、以下の点が重大なポイントとなります。

  • 「債権者」が納得できる内容であること
  • 「申立者(債務者)」自身が再建を図れる内容であること

「給与所得者等再生」の場合

「給与所得者等再生」の場合には、「再生計画案」に関する債権者への意見聴取等は省略されます。

これは「給与所得者等再生」の手続では、「小規模個人再生」とは異なり、債権者の消極的同意が要件とされてないからです。

一方で「給与余得者等再生」の場合には、「再生計画認可」において「小規模個人再生」よりも「厳格な収入の安定性」が求められます。

これは具体的には「可処分所得要件」が特に厳しくチェックされることになります。

また、その他の要件についても「小規模個人再生」と同様に裁判所がチェックすることになります。

そして、提出された「再生計画案」がこれらの要件を満たしていれば、認可決定が、そうでなければ不認可決定がなされることになります。

「再生計画」が認可された場合

裁判所によって「再生計画」が認可された場合、「申立者(債務者)」はその計画案に従って、各再生債権者に対して返済していくことになります。

そして、全ての再生計画上の返済が完了したときに、「個人再生」は完了することになります。

ただし、返済が完了できなくなる事態に陥れば、「再生計画」は取り消される場合もあります。

 

・・・以上が「再生計画」に関するご説明でした。冒頭でも書きましたが、「個人再生」が認可されるかどうかは、「小規模個人再生」であろうが「給与所得者等再生」であろうが、関係なく「再生計画」が認可されるかどうかにかかってきます。

この点を考えてみると、やはり独力で「再生計画」を策定するのは難しいでしょう。

「個人再生」をご検討されている場合は、一度、弁護士や司法書士に相談されることをオススメします。

 

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References   [ + ]

1. 原則3年(=36回)とはなっていますが、稀に5年(=60回)のケースもあります。
2. もっとも、素人が作成するには難しい部分もありますから、「個人再生委員」の「指導・監督」を受けながら作成する、ことになります。
3. 「小規模個人再生」の場合です。また、最低返済額は100万円、最大減額幅は10分の1となります。
4. 本人名義で、かつローン等がないという前提です。
5. 「自己破産」では20万円超の換金価値のある資産で生活必需品でない場合は自宅や自動車などは差し押さえられます。
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