個人再生とは?~任意整理と自己破産との中間的な手続き~

個人再生

「こんな苦しみが続くくらいならいっそ死んでしまいたい」・・・Yahoo!の知恵袋に限らず、各種掲示板などの質問内容には、大げさではなく、しばしばこんな表現も出てきます。

 

「死んでしまいたい」

「消えてなくなりたい」

 

・・・こんな表現は借金関連だけでなく、様々な悩みの問題について回ります。

当人にとっての悩みに関する表現ですが、お金にしろ恋愛にしろ、悩みは千差万別。共感する人も多いと思います。

でも、実はこれらの表現は「言動の原因となる事象などがなくなるのなら、生きていたい」という渇望の裏返しだそうです。

昔から「死んで花実が咲くものか」というセリフもありますが、同じ意味ですよね。

もし、お読みになっておられる方でそのような境遇におられるとしたら、せめて、この記事を読んでみていただきたいと思います。

「破産選択をすると今の仕事が続けられなくなる」

「自己破産だけはしたくない」

「できれば持ち家を手放さずに借金を減らしたい」

・・・そのような方々には「個人再生」が向いています。

ただ、「個人再生」が認可されるにはやや高いハードルをクリアしなければなりません。では、「個人再生」とはどんな手続き「でしょうか?

「個人再生」について説明しましょう。

個人再生~任意整理と自己破産の中間のような制度~

「個人再生」というのは、大まかな言い方をすると、自己破産と任意整理の中間のような制度です。

「個人民事再生」とも呼びますが、5000万円以内の借金であれば、この手続きを利用することができます

「個人再生」は「自己破産と任意整理の中間のような制度」と書きましたが、以下のような特徴があります。

  • 自己破産と同様に裁判所に申し立てをする「法的整理」の一つである。
  • 自己破産のようにすべての債務を免責にするというわけではない。
  • 債務を大幅に減額(5分の1程度)にしてもらい、任意整理のように、長期の分割払いにしてもらう。1)減額幅は、任意整理よりは大きくなります。

もちろん、個人再生も任意整理と同様に、将来利息(今後の支払いの利息)のカットができるため、返済額はぐっと抑えられます。

また、個人再生では、借金を作ってしまった原因は関係なく認められるため、浪費などで作ってしまった借金の場合で破産が難しいようなケースでも個人再生という逃げ道を作れます。2)自己破産には「免責不許可事由」というものがあります。これは、破産申請に至った経緯として「浪費」、「ギャンブル」、「投機」などが原因の債務超過では自己破産を認めない、というものです。

債務を大幅に免責(5分の1程度)にし、それを3年で支払うという計画案3)これを「再生計画案」と言います。が裁判所に認可されれば、債務は計画案に記載された額まで減額されます。

そして、分割支払い(基本的に3年間)が終われば、すべての債務がなくなります。なお、返済期間については、特別な事情がある場合には、5年までの長期分割弁済が認められます。

任意整理とは異なり、裁判所により強制的に借金が減額されるので「任意整理で利息をカットしたり、月々の返済額を減らしたりしても、返し続けるのが難しい」という人4)言い換えれば任意整理では対処しきれない債務を負う人ですねにとって魅力的な制度です。

個人再生には2種類ある~小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続~

「個人再生」手続きには以下の二つがあります。

いずれの場合も、住宅資金特別条項付というものを付加することによって、住宅ローンを以外の借金を個人再生の対象ににすることが可能です。

  1. 小規模個人再生手続
  2. 給与所得者等再生手続

大雑把に言うと「小規模個人再生手続」は自営業者等のサラリーマン以外の場合を想定した制度であり、「給与所得者等再生手続」はサラリーマンを対象にした制度となっています。

小規模個人再生手続~個人再生の基本類型~

「小規模個人再生」は元来は、小規模の個人事業者を対象とすることを想定して制定されたものです。

「小規模個人再生」とは、民事再生法第13章第1節に規定する特則の適用を受ける民事再生手続ですが、以下が対象となります。

  • 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること
  • 再生債権額が5000万円を超えないものが行うこと
  • 再生計画(個人民事再生の返済計画)が裁判所に認められるためには、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないこと

給与所得者等再生~サラリーマン等にのみ認められる特例的な個人再生手続~

「給与所得者等再生」とは,サラリーマンなど給与所得者等にのみ認められる特例的な個人再生手続きで、以下がその内容となります。

  • 将来的に確実に安定した収入を得る見込みがある個人の債務者のうちで,無担保債権が5000万円以下の者が対象であること。
  • 再生債権を原則3年間で返済する再生計画案を作成し,それについて裁判所の許可を得た上で計画どおり履行することを条件とすること。
  • 裁判所が認可した再生計画について計画通り履行((再生計画通り返済していくこと))することで、再生計画で返済していない債務を免除してもらうこと。

また、「給与所得者等再生」には以下のような効果が見込めるます。

  • 債務額を最低弁済額として債務額の5分の1から10分の1の減額。5)ただし,100万円が最低金額となります。
  • 可処分所得の2年分または破産した場合の配当予想額(清算価値)のいずれか高い方にまで減額できる。
  • 3年から5年の分割払いにできる。

小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続の違い

両者の違いは「給与所得者等再生手続」では金融業者等の債権者が再生手続きによって債権額が減額されることについて反対したとしても減額されるのが通常であるのに対して「小規模個人再生手続」では借金を減額することに同意しない債権者が全体の半数以上、または同意しない者の債権額が総額の2分の1を超える場合には借金の減額そのものが認められないという点が挙げられます。

すなわち、「小規模個人再生手続」では債権者の意向によって借金の減額がされない可能性がある、ということです。

ただし、現状では個人再生において、ごく一部の債権者以外は反対債権者が現れる例はないため、小規模個人再生の申立てを行っていくのが一般的となります。

 

・・・以上が個人再生の概要となります。

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References   [ + ]

1. 減額幅は、任意整理よりは大きくなります。
2. 自己破産には「免責不許可事由」というものがあります。これは、破産申請に至った経緯として「浪費」、「ギャンブル」、「投機」などが原因の債務超過では自己破産を認めない、というものです。
3. これを「再生計画案」と言います。
4. 言い換えれば任意整理では対処しきれない債務を負う人ですね
5. ただし,100万円が最低金額となります。
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