個人再生に必要な費用の相場

022_個人再生

個人再生にかかる費用は、裁判所に支払う実費と弁護士や司法書士に支払う報酬から構成されます。弁護士は司法書士より費用が高くなる分、申し立てに関わるほぼすべての業務を依頼することができます。司法書士は10万円程度報酬が抑えられる分、依頼できる業務も限定的です。

また、住宅ローン特則を利用すると5万~10万円が上乗せされます。

では詳しく見ていきましょう。

債務者本人が個人再生の申立てを行う場合

個人再生は、裁判所に申立てを行う手続きです。必要書類が多く、手続きが複雑なため債務者本人が申立てを行うのはあまり一般的ではありません。(たいていは弁護士か司法書士に依頼する方が多いです)

しかしながら、債務者本人が申立てができないわけではなく、裁判所が選任した再生委員の指導・監督を受けながら行うこともできます。

この章では、専門家への報酬を除いた基本的な費用を解説していきます。

裁判所に支払う実費は必ずかかる

個人再生では借入額がゼロになるわけではないのでなるべく費用を抑えたいところですが、どんな方法で申立てをしても、裁判所へ支払う実費は必ず必要になります。各裁判所によって多少の違いがあるため、個人再生を行う予定の裁判所であらかじめ確認しておきましょう。

裁判所に支払う4つの基本的費用

一般的に、裁判所へは以下の4つの費用を支払います。(これは避けて通れません)

申立て手数料(収入印紙) 10,000円
官報公告費用としての予納金* 12,000円
予納郵券(連絡のための郵便切手代) 4,000円~8,000円程度
個人再生委員に対する報酬(予納金) 150,000円~250,000円

*個人再生を行うと、政府の広報紙である「官報」に掲載されます。

その公告費用も債務者が負担することになっているため、官報公告費用に対する予納金も必要です。

個人再生委員に対する報酬とは?

裁判所によってまちまちですが、個人再生手続きの申立が受理されると「個人再生委員」が選任されます。「個人再生委員」は裁判所が選任する弁護士で、個人再生手続きを申し立てた者(=申立人)の財産および収入の状況を調査し、申立人が作成する「再生計画案」について、必要な指摘・アドバイスを行うなど、個人再生が適正に行われるよう指導・監督する役割を持ちます。

なお、東京地方裁判所においては申立代理人の有無にかかわらず、全件に個人再生委員が選任されます。その報酬額は、代理人弁護士がいる場合は15万円、債務者本人が申立てる場合は25万円が相場になっています。選任されない場合は、その報酬を納める必要はありません。

弁護士や司法書士に依頼する場合

個人再生の手続きについては、大半の人が頼れる専門家(=弁護士や司法書士)に書類作成や裁判所での審尋(面談)を任せたいと思うでしょう。しかし、気になるのが専門家に支払う費用のことです。弁護士や司法書士に依頼して個人再生を行う場合、裁判所へ支払う実費にプラスして報酬が必要になります。

弁護士と司法書士で報酬額に差がある

専門家に依頼すると決めても、今度は弁護士と司法書士のどちらにお願いすればいいの?かと迷ってしまいますよね。弁護士と司法書士では裁判所での権限が異なるため、報酬にも差があります。それぞれの特徴を見て、どちらに依頼するかを判断するようにしましょう。

弁護士に依頼した場合

弁護士への報酬は、30万円~50万円程度が相場です。

司法書士より報酬は高くなりますが、弁護士であれば、裁判所とのやりとりも含めて、すべて行うことができます。ほとんどの手続きを任せられる、ということは(もちろん再生計画案の作成について主体的に対応するのが当然ではありますが)、仕事などが忙しく、なかなか時間が取れない人にはおすすめです。

また、司法書士より弁護士のほうが法律で認められた訴訟代理人としての範囲が広く、あらゆる裁判手続きにおいてほとんど全部の権限を持っています。

司法書士に依頼した場合

司法書士への報酬は、20万円~30万円程度が相場です。

司法書士は書類作成と提出が主な仕事のため報酬が抑えられますが、その分債務者本人が行う作業も多くなります。また、司法書士に訴訟代理権が認められるのは、訴額140万円までの簡易裁判所管轄の訴訟までです。司法書士には、地方裁判所における訴訟代理権が認められていないことも念のため覚えてておきましょう。そういう意味では弁護士との費用の差(10~20万円)を申立人の手間や作業の代わりの手数料と考えてみると、それほど高いとも言えません。・・・とは言っても借金で苦しいときの20万円はとても大きいこともあります。良く検討したほうが良いでしょう。

報酬と借金を無理なく支払える返済計画を立ててくれる

個人再生を考えている人の中には、「借金の返済を続けながら弁護士や司法書士への報酬も支払うのは厳しい」と感じる人や、「1度に30万円以上の現金を用意するのは無理だ」と諦めてしまう人もいるでしょう。

弁護士や司法書士への報酬については、借金を抱えている人が無理なく支払えるよう、弁護士や司法書士が返済計画を立てますので、その点はそれほど心配する必要はありません。

報酬額は分割払いや後払いができる

「再生計画に基づいた弁済を行いながら、同時に弁護士や司法書士への報酬も支払っていくのは現実的に厳しいのでは?」

このように考える方もいらっしゃるもしれませんが、多くの事務所で手続き後の後払いや分割払いが可能です。安定した収入があれば、月々の支払いは厳しいものではないでしょう。柔軟に対応してくれる事務所もありますので、まずは気軽に専門家に相談してみることをおすすめします。

報酬額の支払いは借金返済と同時に行わなくてよい

弁護士や司法書士事務所では、報酬の支払いを借金の返済が始まる前に終えられるよう、裁判所への申し立て時期を調整します。

例えば300万円の借金を3年間で支払うことになった場合、月々87,000円ほどの支払い額になります。しかし、30万円の報酬額を5万円ずつ、1月から半年間の分割払いで支払えば、借金の返済は7月以降に開始されますので、支払額が10万円を超えることはありません。

住宅ローン特約を利用すると費用は上乗せされる

個人再生のメリットの1つは、マイホームを維持しながら借金を大幅に減らせることです。

住宅ローン特則(住宅資金貸付債権に関する特則)と呼ばれる特別条項により、住宅ローン以外の債務だけを整理することができるためです。

ただし、住宅ローン特則を利用するには必要な手続きが増えるため、弁護士や司法書士に支払う報酬額も上乗せされます。

費用の差額は5万~10万円

住宅ローン特則を利用する場合に支払う差額は、弁護士・司法書士ともに5万~10万円が相場です。住宅だけは手放したくないという理由で、自己破産ではなく個人再生を選ぶ人も多いと思いますが、住宅ローン特則を利用するにはいくつかの条件があります。まずは自分が要件を満たしているのか専門家に相談してみましょう。

住宅ローンの借入額は減額されない

住宅ローン特則の適用が認められると、抵当権を回避しつつ、いくつかの方法で返済スケジュールを調整することができます。

ただし、住宅ローンの残高が減額されるわけではないので、今後もローンを完済するために今まで通り月々の支払いは続きます。つまり、住宅ローンとは別に再生計画案に従って、住宅ローン以外の債権者に弁済しなければいけないわけですから、ある程度の余裕がある人にしか利用できない、ということになります。

個人再生の費用を考える際には、住宅ローンそのものの返済も考慮しておきましょう。

 

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