自己破産に必要な期間

023_自己破産

自己破産をすると、借金の返済義務を免除(=謝金をチャラに)してもらうことができます。
借金をかかえていて返済が苦しい場合、債務整理を検討する人も多いと思います。そして、債務整理の切り札として、「自己破産をしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

ただ、自己破産というと、

「手続きはどのくらいの期間がかかるんだろうか?」

「裁判所がOKしてくれるまで、何か月もかかるのかな?心配だ」

など、不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。

自己破産をするときには、同時廃止と管財事件という二種類の手続きがあることをご説明してきましたが、そのどちらになるかによって、所要期間が異なります。
本稿では、自己破産にかかるスケジュールと期間について説明していきます。

自己破産の概要

自己破産の期間を説明する前に自己破産についておさらいしておきましょう。

自己破産とは、債務整理手続の一つで、債務と財産を清算し、免責を受けることによって、借金の支払い義務を無くしてもらう手続きのことです。(言葉は悪いですが借金をチャラにする方法です)

自己破産をするときには、裁判所に対して破産と免責の申立てを行います。

裁判所で破産の手続を進めて、債務と財産の清算を終了すると、破産手続が廃止されて免責をしてもらうことができます。「免責」とは、債務の支払義務を免除する決定のことです。
そこで、免責が認められると、借金など債務の返済義務がなくなって、借金問題を解決することができるのです。
ただし、免責を受けても、税金や健康保険料、養育費などの一部の債務については支払い義務が残ります。(注意しておく必要があります)

自己破産の期間とスケジュール

必要な期間は手続きによって異なる

では、自己破産をするとき、どのくらいの期間がかかるものなのでしょうか?

これについては、破産の手続きの種類によって変わってきます。

破産手続には、「同時廃止」と「管財事件」という2種類の手続きがあります。
同時廃止は、財産が少ない人などの場合に選択される簡易な破産の手続きです。簡単な手続きなので、かかる期間は短いです。管財事件は、財産が一定以上ある人などの場合に選択される、複雑な破産の手続きです。
複雑な分、同時廃止よりかかる期間が長くなってきます。

なお、自己破産の手続について「自己破産の手続き」をご参照ください。

以下では、同時廃止と管財事件のそれぞれのケースにおいて、どのようなスケジュールとなり、どのくらいの期間がかかるのか、説明していきます。

申立てまでの期間

自己破産をするとき、手続き(同時廃止および管財事件)によって期間が異なると書きましたが、破産申し立てまでの手続きは、同時廃止でも管財事件でも共通です。そして、多くのケースでは、専門の弁護士や司法書士に依頼します。

弁護士などに自己破産を依頼すると、弁護士は債権者に対して「受任通知」という通知書を送ります。
すると、債権者は債務者に直接連絡をすることができなくなるので、債権者からの督促は止まりますし、債権者に対する支払いもストップします。

そして、弁護士は「債権調査」を進めます。その間に、債務者は自己破産申立てに必要な書類や資料を集めます。自己破産では、非常にたくさんの書類が必要です。
たとえば、住民票、給与明細書、源泉徴収票、確定申告書、住民税の証明書、預貯金通帳のコピー、生命保険証書のコピー、解約返 金証明書、不動産の全部事項証明書と評価書類、固定資産評価証明書などが必要です。
ケースによっても必要な書類は異なるので、自己破産を依頼している弁護士の指示に従って集めましょう。
書類がそろったら、弁護士が破産の申立てを行います。
弁護士に相談してから破産申立てをするまでの期間はスムーズに進んだとして2ヶ月くらいとなります。

それぞれの手続きに必要な期間

破産申立後の手続きの流れは、同時廃止と管財事件とで異なります。

同時廃止の流れと必要な期間

まずは、同時廃止のケースについてです。

破産申立があると、裁判所が提出された書類の審査を行い、問題がなければ破産手続開始決定を下します。
申立から破産手続開始決定までの期間は、1週間〜1ヶ月ぐらいです。

そして、同時廃止の場合、破産手続開始と同時に破産手続を廃止します。同時廃止の破産者は、財産を持っていないので、破産によって清算すべき財産がないからです。

このように、破産手続開始と同時に廃止されるので、「同時廃止」と言います。

そして、その後、裁判所は債務者について免責を行うかどうかの判断を行います。

通常は、免責するかどうか判断するため「免責審尋」という手続きを入れます。免責審尋とは、裁判官が債務者と面談を行い、免責をするに際しての質問をする手続きです。
同時廃止の場合、破産手続開始決定からしばらくすると、債務者は裁判所に行って、免責審尋を受けなければなりません(裁判所によっては、行わない場合もあります)。
免責審尋の日にちは、弁護士から連絡を受けることになります。

当日は、弁護士も一緒に裁判所に来て、弁護士と一緒に裁判官から質問を受けることになります。
複数の債務者が集団で免責審尋を受けることもありますし、一対一で、個別に審尋を受けることもあります。
免責審尋では「どうして借金をしたのか」「借金したことについてどのように考えているのか」「どうしてギャンブルや浪費をしたのか」「反省しているのか」などの質問が行われます。
特に問題がなければ、免責審尋の後、免責決定を出してもらうことができて、借金の支払義務がなくなります。

同時廃止の場合、破産手続開始決定後、免責が確定するまでの期間は、だいだい3ヶ月です。

管財事件の流れと必要な期間

次に、管財事件の場合にかかる期間とスケジュールを見てみましょう。
なお、申立から破産手続開始決定までの期間は、同時廃止事件の場合と変わらず、1週間〜1ヶ月ぐらいです。

破産管財人が換価と配当の手続を進める

管財事件の場合、破産手続開始決定とともに、「破産管財人」が選任されます。
そこで、管財事件になると、まずは破産管財人との面談に行く必要があります。
管財人との面談の際、管財人からは、破産事件について気になることを、いくつか質問されることが多いです。
そして、管財人に財産資料を引き渡します。

その後、破産管財人が、受けとった財産の「換価」を進めていきます。換価とは、現金に換えることです。
たとえば、預貯金を払い戻したり、生命保険を解約したりしてお金に換えて、破産管財人の口座に入金します。
不動産があったら売却し、売掛金があったら回収を行います。このようにして換価が終了したら、債権者に対して配当を行います。

債権者集会と財産状況報告集会について

破産管財人が換価の作業を続けている間、裁判所では、「債権者集会」という集会が開かれるので、債務者も出席しなければなりません。そして、第一回の債権者集会の日時は、破産手続開始決定とともに指定されます。
債権者集会といっても、実際には、債権者は来ないことも多いです。

たとえば債権者が消費者金融やカード会社などの貸金業者の場合にはまず来ません。債権者が個人の場合には、出席することもあります。債権者集会は、3ヶ月に1回程度開催されます。
破産管財人による換価と配当の手続きが終了したら、破産手続は廃止されます。

免責の判断

その後、破産管財人の意見にもとづいて、裁判所が債務者の免責を認めるかどうか、判断します。
免責が認められたら借金返済義務がなくなり、自己破産の目的が達成されます。
管財事件になった場合、自己破産にかかる期間は、早くて4ヶ月程度、長い場合には1年以上かかることもあります。

自己破産にかかる期間が長くなる場合とは?

自己破産にかかる期間が長くなる(=1年以上かかる)のは、どのような場合なのか説明していきましょう。

書類の収集に時間がかかるケース

まず一番目は、申立て前の書類の収集に時間がかかるケースです。

自己破産を申し立てる際には、大量の書類の収集が必要です。また、その中には、期限がある書類も多いです。
たとえば、住民票は発行後3ヶ月以内のものが必要ですし、給与明細書は直近3ヶ月分が必要です。預貯金通帳も、最新の記帳にしなければなりません。

そこで、ある書類を集めても、他の書類を集められずに時間が経つと、また新しい書類が必要になって、まったく揃えることができなくなることがあります。債務者が書類集めをするのに手間取って、なかなか集めきれない場合、申立てまで3ヶ月から半年くらいかかってしまうこともあります。

あまりに長く申立て前に時間がかかると、債権者から弁護士に問合せが来たり、貸金請求訴訟を起こされたりすることもあります。以上から自己破産の必要書類は、とにかく早めにすべて集めてしまうことが大切です。

管財事件で財産関係が複雑なケース

管財事件では、債務者の財産の換価が必要です。

その際に、債務者の財産関係が複雑な場合は手続きにかかる期間が長引くことが多くなります。

たとえば、売掛金があって、なかなか支払わない相手がいる場合、管財人が相手に対して裁判を行って回収しなければならないことがあります。

また、不動産がある場合、任意売却を進めることが多いのですが、買い手がなかなか見つからない場合や売買の条件が合わない場合には、相当な期間が経過してしまうこともあります。
財産がたくさんある場合にも、換価の手続きに手間取ることが多いです。
管財事件になって財産の換価が進みにくい場合、管財事件が10ヶ月やそれ以上かかってしまうこともあります。

反対している債権者がいるケース

自己破産では、債権者が債務者の免責についての意見を出すことができます。
消費者金融やカード会社などの貸金業者、銀行などの金融機関が免責について反対意見を出してくることはほとんどありませんが、個人の債権者がいる場合などには、「免責を認めるべきではない」という意見を出してくることが多いです。

こういった意見が提出されると、債務者としても反論を行う必要がでてきます。

これらの主張と反論、再反論が繰り返されることにより、自己破産の手続きにかかる期間が延びます。
また、債権者は免責決定に対して「即時抗告」という不服申立をすることも可能です。
地裁レベルで免責決定が出ても、その後債権者が即時抗告をすると免責決定が確定せずに、高等裁判所での審理に移ります。すると、さらに期間が延びてしまいます。

このように、自己破産免責に反対している債権者がいる場合、自己破産の手続きが長引くことがあります。

まとめ

自己破産は、スムーズに進んだらさほど長い期間がかかるものではありません。

特に同時廃止の場合、弁護士に依頼してから半年程度ですべての手続きを終了させることも可能です。
以下の点に注意しましょう、

必要書類を早く集めること

自己破産が長引く原因として、破産者がなかなか必要書類を集めないことがあります。
申立て前の書類集めをスピーディーに行うことにより、相当免責までの期間を短縮することができます。

弁護士へ相談・依頼すること

自己破産を自分で進めると、必要書類の集め方からしてわかりにくいですし、申立後の手続きもスムーズに進まず、長い期間がかかってしまうことになりやすいです。
短期間で、スピーディーに自己破産の手続を終わらせたいならば、弁護士に自己破産の依頼をすることをおすすめします。

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