なぜか、借金の怖さについて広く一般に知られているのに、一向に債務超過で苦しむ人は減らないように思います。でもキッカケは些細なことから始まるように思います。
例えば物語風に書いてみるとこんな感じでしょうか。
〇月△日の朝
大手電機メーカー勤務の大場嘉門(おおばかもん)48歳が朝食のコーヒーを飲んでいると、新聞の朝刊を取りに行っていた、妻 舞(まい)が取り忘れていた郵便物を一緒に持ってきた。
住宅販売やゴルフ会員勧誘のDMの中に混じって、カード会社からの郵便物が数通入っていた。
一瞬ドキッとした嘉門であったが、妻に気取られないようにDMをゴミ箱に捨てながら、カード会社からの郵便物を素知らぬ顔でビジネスバッグの中に隠すように仕舞った。
そう・・・実はこの郵便物はカード会社からのローン支払い遅延に関する督促状だったのだ。
大手電機メーカー勤務で営業部長の職に就く嘉門はサラリーマンの同世代の平均年収を超えていたものの、目下最大の悩みとはカードローン支払について限界にきてしまっていることだった・・・。
嘉門の家族は妻 舞、高校3年生の長男 隼(しゅん)、中学3年生の長女 秋穂の4人家族。
郊外とはいえ都心への通勤に便利なこの街で、大型5LDKの一戸建てに住んでいる。
会社ではやり手の営業部長で通っている、嘉門だが、毎日のように同僚や部下を誘って酒を嗜みのだが、面倒見が良い、あるいはやや見栄っ張りな性格もあって支払いについては気前よくおごることも多い。
大場家の家族状況
そんな嘉門の家庭ではこの夏から長男 隼の大学受験、長女 秋穂の高校受験が重なっていた。
二人とも名門私立校への進学を希望しており、塾や予備校の費用は相応以上の出費となる。加えて妻 舞の趣味である、カルチャースクールやジムに通ってのフィットネス、夫婦共通のゴルフなど、浪費というには、やや及ばなくもないが、家計を圧迫していることは想像に難くない。
まして一戸建ての自宅となれば毎月の住宅ローンも重くのしかかる。
来週には他のローン会社の引き落としがやってくる・・・。
嘉門はいつも通り、やり手の部長らしく一日の仕事をテキパキと終わらせると定時を迎えた。いつもなら二つ返事で応える、上司や同僚の呑みの誘いも断り、金策のため、新たなサラ金へ融資申し込みに向かった。
大場嘉門の回想
道すがら、嘉門は回想していた。
最初はちょっとした資金不足だったのだ。たまたま休日ゴルフの費用と妻への誕生日プレゼント、部下の昇進祝いに少し豪華な宴席を設けてやった費用の引き落としが重なったときだった。彼のクレジットカードは年収相応にグレードの高いカードでカードローン枠も相当の金額だった。
少しだけ補てんのつもりでカードローンを使用した嘉門だったが、いつしかローン使用が当たり前となり、限度枠まで来てしまった。次は提携銀行のカードローン、そして営業協力で作った別のクレジットカード・・・。
今では合計するといくら借りているのかも不明となった。
ため息をつきながら嘉門は考えていた。「いったい債務残高は全部でどのくらいなんだろう?今の俺に返済は可能なんだろうか・・・?」
彼が向かうべき場所は?
・・・少々長くなりましたが、中年サラリーマンで債務超過となってしまう多くの場合は、こんな経緯なのかもしれませんね。
さて、大場嘉門はどうやって債務生活から脱却を図れるんでしょうか。
彼が向かうべき場所はサラ金ではなく、司法書士事務所や弁護士事務所でしょう。
往々にして多いのは安易な借金が膨れてしまうと、周囲に相談できないことのようです。
友人や会社の同僚、上司などは金策以外では頼りになっても、ことお金の場合は手助けできないことが多いし、そもそも「恥ずかしくて相談できない」のです。
さて、債務整理のお話としてキッカケについて長々と小説風に書いてみました。
(共感される方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんね)
【借金総額が140万円以下なら司法書士事務所に相談しましょう】